とくに下着類は木綿性が推奨されます。それは、木綿性の吸水性と通気性に加えて、肌ざわりのよさのためです。しかし、化学繊維がすべて悪いわけではありません。個人個人の患者によって悪化しなければ差し支えありません。
また、購入した新品は、種々の防虫加工などの処理が施されているため、一度洗濯してから使用してください。
衣類で気をつけなければいけないのは、かたい繊維、処理加工剤、よごれ、毛羽だった繊維、洗剤の残存などは皮膚のかゆみを誘発する刺激となり、湿疹の悪化を来します。特に冬場、毛糸のセーターなどは直接皮膚に触れないように着用してください。
よごれがアトピー性皮膚炎の増悪因子として作用することから、患者の身につける衣類の洗濯は重要です。
アトピー性皮膚炎の洗濯上の注意点は、洗濯物への残留洗剤です。自動洗濯機のすすぎだけでは洗剤が残留します。洗濯終了後再度水洗いを十分にしてください。
また、洗濯物への糊づけ、ソフトナーなどの処理も避けてください。
衣類と同様に皮膚に刺激を与えないよう寝具にも気を配る必要があります。
シーツは肌ざわりのよいやわらかい木綿ないし麻製のものを選ぶべきで、糊づけをしてはいけません。毛布は必ず布地のカバーをかけることが必要です。
アレルギーの原因となるダニを除去するためにも、布団の掃除、乾燥が必要です。
枕は、羽毛性、そばがらはアレルギーの原因となります。昔ながらの茶がら、プラスチックビーズを入れた枕が適当です。
プールの中の消毒液が、皮膚の刺激になることがありますが、よほど皮膚症状が激しくないかぎりかまいません。むしろ、水泳後のスキンケアが重要で、十分にシャワーを浴びて皮膚についた刺激物を除去し、その後スキンケア用の外用剤を塗布してください。
乳児期のアトピー性皮膚炎には食事が原因で湿疹が生じている可能性があります。個々の患者ごとに食事アレルギーの原因は異なります。自己判断で勝手に食品を除去したりしないでください。